Maiのリアルエッセイ
Find Me In the Dark
—— あの頃子供だった私たちへ——
目次
Episode16. In The Dark—
闇の中に見つけたもの
自分の人生でやりたいことを見つけた、と心が沸きたったのも束の間
”自分には何かが欠けているような気がする”
という感覚に囚われた私は
次第に気分が沈んでいくようになった。
やりたいことをやっているはずなのに
どうしてココロが完全に満たされないんだろう
という思いは
成功し、輝いて見える人たちと自分を比べさせ
ヒーリングを行うなら、私よりもっと上手くやれる人たちがたくさんいるじゃないか?
この仕事は、私がするべきことではないのかもしれない
という自分が最も考えたくなかった結論へと達し
やっと見つけたと喜んでいた人生の目的を、再び見失った私は
それが事実だと捉える自分と そんなことはない、私はこの仕事が好きなのだから これを続けることが目的のはずだ と否定したい自分の狭間で 次第に鬱になっていった。 ”自分の人生には、何か思いっきりやりたいことがあるはず” という漠然とした思いは、私に希望を抱かせながらも それはただの思い違いで 輝かしい目的が与えられているのは、ごく限られた特別な人たちだけで 自分には目立った才能もなく このまま退屈な人生を送るのかもしれない、という失望を感じていた。 毎朝目が覚めると気分が沈んでいて、生きている理由が見つけられなかった私は こんなにつまらなくて無意味な毎日を送るのなら いつ死んでもいいと思うようになった。 だが残される姉や姪たちのことを思い 生きるならせめて普通の人のように暮らしたいと 必死に様々な本を読み漁り、レクチャーを聞き回り そこで学んだ知識を自分を実験台に、辛抱強く実践していった。 一歩先は何も見えない闇の中で 唯一私の興味が失われることがなかったのは 自分という人間に何が起きているのかを知ろうと、学ぶことだった。 そして闇の中を、手探りで彷徨っていった私は 少しずつ、自分のココロが訴えていることを理解していった。 私が理解したことは 私が家族や、友人と何かをするとき そして 自分を癒す大切さを、世の中に知ってもらおうと活動するとき 無意識に私のココロのどこかに設定されていた目的が 自分を苦しめていたこと。 根底にあったその目的とは 『誰かに自分の価値を認めてほしい』という欲求だった。 私は誰かの役に立つことで、自分の価値を認めてほしかったのだ。 だが、その欲求は自分が何をしても完全に満たされることはなかった。 子供の頃の私が、母に対する怒りや悲しみの底で 母に最も知ってほしかったことは 私は母を愛している、ということ。 母に喜んでもらおうと 本を見ながらお誕生日のケーキを焼き、プレゼントした私に
『こんなものをくれるなんて、嫌がらせのつもり?
どうせ自分のために作ったんでしょ。』 そう吐き捨てるように言い 怒ってその場を立ち去った母。 受け取ってもらえなかったケーキを見ながら 惨めな自分を情けなく感じていたあの時の私は 自分を認めてほしいという、満たされることのない思いを ココロのどこかで抱え続けていたのだ。 自分を受け入れることのない相手を 自分がどれほど愛し、大切に感じていたか 認めてもらえない自分を惨めに感じ 愛していたことを否定するのではなく 自分の愛に誇りを持つこと。 その愛を、これからは人に心から与え そして私も 人から愛を受け取っていいのだと そう思えたとき 『認めてほしい』という欲求は消えていき ココロが、ふんわりと軽くなっていくのを感じた。
今の私が理解しているのは
私はこの頃
心のどこかで、鬱状態の自分を否定していたのだということ。
成功しているように見える人たちと、自らを比べては
焦りと、自分への苛立ちを感じていました。
ヒーリングを学んで以来、自分を受け入れることを常に心がけていましたが
その本当の挑戦は
『受け入れたくない自分——
鬱状態の自分を受け入れる』
という学びとして、やって来ました。
自分がうまくいっている時に、その自分を受け入れることはできても
うまくいかず『理想と程遠い自分』を受け入れることは
まるでそれが間違ったことのように感じられ、抵抗を感じていたのです。
例え鬱の状態から抜けだせなかったとしても
やりたいことが見つかっても、見つからなくても
理想の現実を手にしても、しなくても
それでも自分を受け入れようと
自分の全てを愛した時
私の心が受け取ったものは
どんな私でも愛に値する
という真実の愛でした。
すると真っ暗な空の向こうで
ゆっくりと
朝日が少しずつ空の色を変えていくように
ようやく鬱は晴れていきました。
Haleakala N.P. Hawaii
次回最終エピソード
17. Gift—— 贈り物
に続きます。
真実の愛を、自分の闇の中に見つけた私。
自らの力に気付いていきます。
無意識のブロックを外し、自分の『やりたい』を見つけ
思いっきり輝くわたしであるために。
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