Maiのリアルエッセイ
Find Me In the Dark
—— あの頃子供だった私たちへ——
前回までのストーリー
Episode4. 二つの現実
母にとってはたわいもない言葉が、自分を深く傷つけていることを
勇気を振り絞って伝えた11歳の私。
洗濯物をたたむ手を動かしていた手を止めることなく
一瞬こちらを向いた母は目を釣り上げ、怒った声で言った。
「はぁ?なにを馬鹿なことを言ってるの」
それ以上何も言うことはないとばかりに、黙々と作業を続ける彼女。
言えば分かってもらえるかもしれない、という希望はその一べつでかき消され
さっきまでの緊張感が、味気のない虚しさに変わった。
言葉を返す気力さえ失った私は、ただその場を去り
何事もなかったように、それまでの日常は繰り返された。
人に気持ちを伝えても、聞いてはもらえない
私の気持ちは大切ではないのだ、という苦い経験をした私は
気持ちが大切ではないのなら
私はどうして『気持ち』を感じるんだろう?
こんなに辛くて、意味のないものが
どうしてあるんだろう?
という疑問を抱いた。
そしてこの疑問は
この後私が感情を切り離していくきっかけとなる。
子供の私の目から見た現実は
母からの心ない言葉
傷ついている自分
それを理解してもらえない
というもの。
大人になってから思い返すと、傷ついていた自分がバカバカしくすら思えて
「あれは大したことじゃなかった」と忘れようとしましたが
大人になった私がどう捉えようとも、あの頃の傷跡は無意識の中に残っていて
それは自分の性格や、行動の中に現れていたのだと
自分という人間を知る過程の中で気付いていきました。
自分自身がその傷に気付くことから
やっと癒しが始まります。
そしてあの頃の母の目から見た現実は、私の現実とは異なり
子供を軽くからかっただけなのに
その子が大げさに反応し、バカなことを言っている。
自分は不幸な結婚生活の犠牲となりながら
子供のために最善を尽くしている。
というもの。
どちらの現実が正しくて
どちらが間違っているのか
今の私が理解しているのは
現実は常に、人の数だけあるということ。
たとえ同じ屋根の下に一緒に暮らしていても
一つとして、全く同じ現実を見ていることはないのです。
なぜなら、例え同じ家族の一員であっても
誰一人として、自分と同じ人間はおらず
それぞれが自分の目を通してでしか、現実を見ることはできないから。
お互いに歩み合うことなく、一度も理解し合うことのなかった、母と私それぞれの現実。
行き場のない怒りや悲しみから、私を自由にしたものは
あの日初めて受けたIntegrated Healingのセッションで決めた
『自分への愛』でした。
Arches N.P. Utah
無意識のブロックを外し、自分の『やりたい』を見つけ
思いっきり輝くわたしであるために。
INTEGRATED HEALING
オンラインセッション
対面セッション in San Pedro
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